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A PICTURE BOOK BY LUCANOR

はだかの王様 ― 見えないところにこそ、お洒落を ―(表紙)鏡の前で下着姿の王様

はだかの王様 ― 見えないところにこそ、お洒落を ―

お洒落が大好きな王様と、二人の詐欺師と、 たったひとりの正直な子供のおはなし。全17シーン。

SCENE 01 / 17

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シーン1

お洒落が大好きな王様

お洒落が大好きな王様

毎日、何度も着替える王様

ある国に、お洒落に並々ならぬこだわりを持つ王様がいました。

王様は、毎日何度も服を着替えます。朝の正装、昼の散歩着、午後のお茶会の装い。

靴から帽子、身につける小物にいたるまで、少しの妥協も許しません。

シーン2

見えないところまで

見えないところまで

下着も、丁寧に選ぶ

王様がこだわっていたのは、目に見える服だけではありません。

服の下に身につける下着も、素材や形、はき心地まで丁寧に選んでいました。

「本当のお洒落とは、見えるところだけを飾るものではない」それが、王様の口癖でした。

シーン3

二人の仕立て屋

二人の仕立て屋

城にやってきた二人組

そんなある日、王様のもとへ、二人組の仕立て屋がやってきました。

けれど、二人は本当の仕立て屋ではありません。

王様をだまして、たくさんの金貨を手に入れようとたくらむ詐欺師でした。

シーン4

不思議な衣装

不思議な衣装

羽のように軽い衣装

二人は王様の前にひざまずき、こう言いました。

「私どもは、世界で最も美しい衣装を仕立てることができます」

「その衣装は羽のように軽く、着ていることさえ忘れてしまうほどでございます」

王様は、身を乗り出して話を聞きました。

シーン5

愚か者には見えない服

愚か者には見えない服

王様の目が輝いた

二人は、さらに声をひそめて言いました。

「ただし、この衣装は、愚かな者や、自分の役目にふさわしくない者には、決して見えません」

王様の目が輝きました。「それは素晴らしい。その衣装を着れば、誰が賢く、誰が愚かであるかも分かるということだな」

王様は二人に、たくさんの金貨と高価な糸を与えました。

シーン6

からっぽの織り機

からっぽの織り機

糸も布もない織り機

詐欺師たちは、お城の大きな部屋に織り機を並べました。しかし、織り機には糸も布もありません。

二人は、何もない織り機の前で布を織るふりを始めました。

「なんと美しい色でしょう」「これほど繊細な模様は、世界中のどこにもございません」

そう言いながら、受け取った金貨や糸を自分たちの荷物へ隠しました。

シーン7

大臣には見えない

大臣には見えない

何も見えない……

しばらくして、王様は大臣に衣装の様子を見てくるよう命じました。

大臣が部屋へ入ると、織り機の上には何もありません。「何も見えない……」大臣は驚きました。

しかし、見えないと言えば、自分が愚か者だと思われてしまいます。

シーン8

すばらしい衣装です

すばらしい衣装です

お城中が褒めはじめた

大臣は、何もない織り機をじっと見つめながら言いました。

「なんと美しい衣装でしょう。色も模様も、王様にぴったりでございます」

次に見に行った家来にも、衣装は見えませんでした。それでも家来は言いました。「これほど立派な衣装は、見たことがございません」

やがて、お城中の誰もが、まだ見たこともない衣装を褒めるようになりました。

シーン9

王様にも見えない

王様にも見えない

心の中で動揺する王様

ついに王様自身が、仕立て屋の部屋を訪れました。けれど、王様の目にも何も見えません。

「どういうことだ。わしにも衣装が見えない」王様は、心の中で動揺しました。

しかし、家来たちの前で、自分には見えないとは言えません。

シーン10

王様のうそ

王様のうそ

一斉に上がる拍手

王様は、何もない織り機を前にして、大きくうなずきました。

「うむ、実に素晴らしい」「これほど美しい衣装は、これまで一度も見たことがない」

王様の言葉を聞き、家来たちは一斉に拍手をしました。そして、その衣装を国中の人々に披露することになりました。

シーン11

見えない衣装を着る王様

見えない衣装を着る王様

何もない空中から

大行進の日の朝、詐欺師たちは王様の服を脱がせました。そして、何も持っていない手を広げて言いました。

「まずはこちらの下着を」「そして、この上着とズボンをお召しください」

二人は、何もない空中から衣装を取り出すふりをして、王様に着せていきました。

シーン12

王様の大行進

王様の大行進

鏡の前の王様

「驚くほど軽い衣装だな」王様は鏡の前で言いました。「何も身につけていないようにさえ感じる」

家来たちは口々に褒めました。「たいへんお似合いでございます」

こうして王様は、頭に王冠をかぶり、堂々と街へ出ました。

シーン13

誰も本当のことを言えない

誰も本当のことを言えない

沿道に集まった人々

道の両側には、大勢の人々が集まっていました。けれど、誰の目にも衣装は見えません。

それでも、自分だけが愚か者だと思われることを恐れ、人々は王様を褒め称えました。

「なんと美しい衣装でしょう」「とても上品な色合いです」「さすがは、世界で一番お洒落な王様だ」

シーン14

子供のひとこと

子供のひとこと

よく通る声

そんななか、一人の小さな子供が王様を見つめていました。

子供は不思議そうに首をかしげると、よく通る声で叫びました。

「王様は、下着もお洒落だね!」

街は一瞬、静まり返りました。王様も思わず立ち止まります。

シーン15

王様が気づいたこと

王様が気づいたこと

自分で選んだ、本物

王様は、自分の姿を見下ろしました。たしかに、仕立て屋の衣装はどこにもありません。

二人にだまされていたことは、もう明らかでした。それでも王様は、ふと口元をゆるめました。

王様が身につけていた下着だけは、まぎれもなく、自分で丁寧に選んだ本物だったからです。

シーン16

見えないところにこそ

見えないところにこそ

自分自身を大切にすること

上着やズボンは、人から見られるためのものかもしれません。けれど下着は、普段は誰の目にも触れません。

それでも、自分に合うものを選び、心地よく身につける。

見えないところにまで気を配ることは、誰かに褒めてもらうためではありません。それは、自分自身を大切にすることなのです。

シーン17

本当に粋な男

本当に粋な男

再び、胸を張って

王様は子供に向かって、にっこりと笑いました。「よく気がついたな」そして、再び胸を張って歩き始めました。

衣装にはだまされてしまった王様でしたが、下着へのこだわりだけは本物でした。

どんなときでも、見えないところのお洒落を忘れない。それこそが、本当に粋な男の姿なのかもしれません。

見えないところにこそ、
こだわりを。

見えないところにこそ、<br>こだわりを。

自分らしい一枚を

見えないところにこそ、こだわりを。

自分らしい一枚を、ルカノールで。

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見えないところにこそ、こだわりを。
自分らしい一枚を、ルカノールで。

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